古来から人々は自然を恐れ風や大地や海や岩や、音、自然現象一つ一つにも名前をつけ、供え物を供え、平安と繁栄を祈っていた。

小さな社は原っぱに、山頂に、森の中に、洞穴に、木の根元に、川に、海に、島に…至る所に建てられた。

自然の神様は気まぐれだ。どんなにお祀りしても、思い通りになってくれない。

それでも人々は、親しみをもち、小さな社に手を合わせた。

だが、ある日、何処からか新しいカミサマがやって来た。

新しいカミサマはどんな願いもすぐに叶えてくれる。人々は豊かになり、新しいカミサマに手を合わせた。

しかし、新しいカミサマは嫉妬深く恐ろしい。

どんな願いも叶える代わり、新しい社を次々に建て、毎日のお祈りを欠かさないと忽ち激しく祟る。人々は祟りを恐れ、新しいカミサマを祀っているうちに、小さな社の神様達のことを忘れてしまっていた。

小さな社の神様達は元々は荒ぶる自然の神々。放っておかれた社。忘れられた祭り。干涸びた供え物…。 神様達は自然に戻り、暴れ回った。人々は困り、新しいカミサマのお世話も出来なくなってしまった。

すると、新しいカミサマは人々を救うどころか怒りに震え、激しく祟った。人々は倒れ、残った者は小さな動物に姿を変えて生き延びた。

そして、小さな動物達は再び、自然の神様達を鎮め新しいカミサマを止めるため、お供えものを手に、世界中の小さなお社を探して旅に出た…

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個展『燦然世界』

8/23~28

Art Complex Center 2F ACT3

*28日17:30から音画ユニット『二次元パレット』のライブやります!!


どしどしご来場くださいませ。